昔は太平洋側の海ならばどこでも採れていたあさりは時代小説の中にも江戸庶民の朝の味噌汁の実としてしばし登場します。
しかし、現在の海の環境は昔から比べると大きく様変わりしていて、湧くように採れていたあさりはほとんど見かけなくなりました。
そして、今現在、国産あさりと言えるのは、愛知県の渥美半島沖合の渥美あさりと北海道の厚岸の2か所のみです。
これまで○○産と称して売られていたあさりは、すべて稚貝を中国や韓国から輸入したもので、
それを数か月間その地で育てたあさりを○○産と称して販売していました。
それが、原産国表示することになり、国産の表示が出来なってしまったのです。
とは言うものの、稚貝を輸入してその地で育てた養殖あさりと、生まれも育ちも国産と言う天然あさりとは旨味も食感も別物ですからね。
「あさり」に含まれる栄養と効果
あさりにはカルシウムやカリウム、亜鉛、鉄などのミネラルがたっぷり入っています。
特に100gあたりに含まれるビタミンB12の含有量は貝類の中でNo.1です。
ビタミンB12が不足すると、悪性貧血(頭痛・めまい・吐き気・動悸・息切れ・食欲不振など)、神経痛、慢性疲労が起こりやすくなります。
その他うま味成分であるタウリンが豊富で、肝機能の促進、アルコール障害の改善、血液をサラサラにするなどの効果があるといわれています。
特に旬(2~4月・9~10月)の時期に増大します。
〇あさりの美味しさの理由
あさりのお味噌汁やあさり飯、パスタなど、あさりを使った料理は
とっても美味しいですが、その美味しさの一つにコハク酸と言う「うま味成分」があります。
他の貝類( しじみ、かき、はまぐり) にもコハク酸は含まれていますが、
あさり含まれるコハク酸の量は断トツです。
そして、粒が小さいとそれだけコハク酸の量が増えていくので、小粒のあさりを沢山使った方が味が良くなると言われています。
あさりの粒の大きさと美味しさとはあまり関係ありません。
渥美のあさりは昔から大粒アサリとして大人気でしたが、海洋環境の変化によって大粒あさりは激減してしまいました。
しかし、あさりは身が小さいから味が悪いということはありません。
身が大きくても、その年の海の状態で美味しかったりさほど美味しくなかったりします。 今年はLサイズ中心ですが、味はしっかりと乗っていてすこぶる美味なあさりに仕上がっています。
あさりのおすすめの食べ方
あさりは調理法が多い貝です。 例えば以下のような食べ方があります。
酒蒸し
炊き込みご飯
味噌汁
ボンゴレ
クラムチャウダー
トマト煮込み
〇栄養を効果的に摂取する調理方法
加熱したときに出る汁にうま味成分と栄養素がたっぷり含まれているので、煮汁を一緒に摂れる調理法がオススメです。
例えば栄養を無駄なく摂れる味噌汁やスープ、炊き込みご飯などがあります。
〇加熱のポイントは水から徐々に温めること。
〇加熱し過ぎると身が硬くなるのであさりが口を開いたらすぐに火を止めること
〇合わせると効果的な食材
とまと、乳製品、きのこ類
トマトに含まれるビタミンCは鉄分の吸収をあげてくれます。
・乳製品に含まれるたんぱく質は鉄分やカルシウムの吸収を助けてくれます。骨の健康を保ちたい方におすすめです。
・きのこ類に含まれるビタミンDは、カルシウムのの吸収をアップします。あさりを加熱する際、一緒に水から入れることでうま味成分が徐々に出て、おいしく仕上がります。
今年はしっかりと味が乗っています。
今年は大粒はほとんど採れなくてLサイズ中心になりますが、旨味は最高です。
そして、味が乗って一番美味しい春と秋にどうぞお召し上がりください。
国産の天然あさりをお取り寄せできるのは、旬の食卓便だけです。